「アルキメデスの大戦」という映画が上映中です。天才数学者が太平洋戦争を阻止しようとする話らしいですが、予告編で主人公が黒板に向かって計算するシーンがちょっと気になりました。普通筆算するときは下の位つまり右から書くと思いますが、そのシーンでは答を左から書いていたのです。何しろ天才数学者ですから、暗算で答がででてしまったので、左から数字が書けたのかもしれませんが、だったら黒板に書く必要ないじゃないかと言う気もします。まあ、それは映画の演出ということにしましょう。
 天才で無い人が数学の問題を解くときは、あまり暗算をしないことをお勧めします。数字の計算だけでなく式の変形や図形の問題も、紙に書いて目で見ながら解き進めることが結局近道だと思います。もちろん小学校までの間に暗算を含めた計算能力を鍛えておくのは大事ですが、中学校で頭を使うのは暗算でなく問題の解き方だと思います。サッカーに例えるなら、ランニングは練習の基本の一つかもしれませんが、試合のときはただ走るだけでなく、ここぞというときにダッシュしなければダメでしょう。頭も大事なことに集中して使わないともったいない。
 それでも暗算したほうが速く解けるという人もいると思いますが、紙に書くことにはそれ以上の効果があると思います。①紙に書いて見ることで法則性やより簡単な計算方法が見えてくる、②変な答が出たときどこで間違ったかすぐ検証できる、③暗算しない分脳が疲れない、④やっぱり紙に書いたほうが間違いが少ない、というような点です。生徒には「テストの時暗算しても誰もほめてくれないぞ」といって紙を使うことを進めるのですが、なかなかこちらの思うようにはやってくれませんけど。

 NHKの「」チコちゃんに叱られる!」でやってました。番組の答は「鉄がサビたがっているから」で、これを中学校の理科の言葉にすると、「鉄は酸素と化合しやすいから」となり、テストの答としては合格なのですが、番組としてはあまり面白くなかったかと思います。

 そもそも物事の起こる原因や理由は複数あり、そのうち一つを面白く切り取るところが、この番組の良さだと思うのですが、サビに関しては一番教科書的な答を選んでしまった残念な感じがします。

 それでは、他にどんな切り口が考えられるのでしょうか。例えば、①空気中の水分や塩分の影響、②同じ鉄でもステンレスはサビないのはなぜか、③そもそも空気中に酸素があるからいけない、などが考えられます。番組中で①には触れられていて、「塩分は水を保つ力があるからサビやすくなる」と解説されていましたが、これはテストの回答でも0点ではないかと思います。一般の人にわかりやすい答にしたかったのかもしれませんが、例えば砂糖水ではサビやすくならないことが説明できません。夏休みの自由研究で、「どういう液体をつけると鉄がサビやすくなるか」なんてやってみるといいと思いますが、中学生レベルであれば「電解質溶液はサビやすい」という答が導ければいいのではないかと思います。当然もっと奥深い内容はありますが。

 ②は鉄中の添加物や不純物の問題で面白いのですが、大学レベルの話になるのでとばして、③に行きましょう。番組の中では「自然界では鉄はサビる」と言っていましたが、正確に言うと「地球の表面では」と限定すべきです。実は地球の内部も含めて、宇宙全体ではさびていない鉄のほうが多いと思われるのです。鉄がサビるのは、地球の大気中に酸素があるから、酸素は生物の光合成でできる、つまりチコちゃん風の言い方をするならば、「鉄がサビるのは、生命が誕生したから」としたほうが番組的には面白かったと思うのですがどうでしょうか。

 8月24日基山町民会館で「理科検定」の試験が行なわれるそうです。


 英検とか漢検の理科版で、科目は小学校から高校レベルまで色々あるみたいです。合格したからといって大して役には立たないかもしれませんが、せっかく基山町であるので、私も受けてみようかと思います。受験料は科目によって4000円から7000円程度のようですので理科好きの人は受けてみてはいかがでしょうか。詳しくは以下のサイトで御確認下さい。

 去年から交通指導員になりました。その前から地域のボランティアで朝の交通指導に加わっていたので、朝やることは変わらないのですが、変わったのは自分が運転するとき、違反や事故がないように慎重になったことだと思います。
 こんな感じで、教えることで自分が成長するということありますよね。授業中でも生徒同士が教えあうことで、教えるほうの生徒の知識も整理整頓される状況も良く見ます。
 生徒だけでなく私自身も教えていて気付きがあることもしばしばです。先日数学の授業で、大文字のXをいつものように"ラージエックス"といいながら説明していたのですが、ふと「英語の授業なら"capital X"というのに、なんで数学では"ラージ(large) X"?」と気付き、後で調べてみました。どうやら大文字のことを"ラージ"というのは日本の数学独特の言い方のようです。何十年間も特に気にせずに使い分けていたことに気がつきました。結局、日本語で「大文字のX」というのが一番わかりやすいのかもしれません。

 4月になりました。昨年度の生徒は中高とも3年生が多く、みんな無事合格してくれて良かったのですが、受験が終わって急に生徒すうが減って、ちょっと淋しいです。
 淋しいといえば、今月で「平成」も終わってしまうので、私の生まれた「昭和」は過去の過去ということになってしまいます。さて「昭和」の最大の事件といえば、第二次世界大戦&太平洋戦争ではないでしょうか。ちなみに明治から平成まで約151年、戦争はちょうどその真ん中になります。私の両親は実際に戦争に行ったり被爆したりしているので、私にとって戦争は現実で明治維新は歴史みたいな感覚なのですが、、中学生から見ると明治維新も戦争も昭和も遠い昔のことに思えるのでしょうね。
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