きやま創作劇の原点は、平成22年(2010)11月10日に遡り、特別史跡基肄城跡にある南水門で行われた「水門セレモニー」から始まります。
この翌年から南水門にある石塁の保存修理を始めるにあたり、「自分たちが見てきた石塁の姿は、もう見ることができなくなってしまう。自分たちの思い出として「ありがとう!水門」という感謝を込めた催しができないものでしょうか。」という一人の青年の思いからスタートします。
それならば、基肄城跡が造られた歴史を劇にしよう、創るならば次世代を担う子どもたちに演じてもらおうということで、南水門前で「白村江の戦い」から「基肄城築造」までの流れが劇として演じられました。大人の方々には、(公財)古都大宰府保存協会から借用した古代衣装を着ていただき、天皇や役人を演じていただいたのです。
水門セレモニーの結びには、参加者みんなでシャボン玉を飛ばし、1350年間、姿を保ちつづけてきた南水門にお別れをしました。現在は、石塁を壊しかけていた樹木を撤去し、新たに見つかった水門も復元し、修復された姿で皆さんをお迎えしてくれます。
きやま創作劇の原点は、一人の青年の思いから始まったのです。