胎児の出生前診断で、遺伝子に異常が認められないか、出生前に診断を行う遺伝子学的検査が最近普及してきています。
出生前診断は、優生学的な問題があることから生命倫理学的な問題があるとする意見があります。医学の発達とともに、検査の精度が高まり出産前に胎児異常を発見できるケースが増えました。治療できる胎児異常については手術などで対応できるケースも増えていますが、根治的な治療が出来ない21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーの場合は、事前に診断された9割の妊婦が人工妊娠中絶を選択しています。日本では1990年代に母体血清マーカー検査が急激に広まった際に、原則として妊婦には積極的に勧めたりしないようにとする声明を日本産婦人科学会が発表しています。(ウィキペディア(Wikipedia)より)
一般的な出生前診断で、男の子か女の子か、判別することはよくありますね。胎児の健全な成長に関する出生前診断は大切なことですが、前述の通り根治的な治療が出来ない場合は、事前に診断された9割の妊婦が人工妊娠中絶を選択しています。お気持ちは分からないわけでもありませんが、母体血清マーカー検査の結果が全て正しいわけではありません。健康なお子さんかもしれないのに、中絶して大切な命が生まれてこないことも考えられるのです。
また、現在でも何らかの障がいを持って生まれるお子さんは相当数います。遺伝子検査が増えてくると、そういうお子さん達が成長期に「ねぇパパママ、僕(わたし)って生まれてこなかった方が良かった命なの?」と、これからの社会の中で悩むことも増える可能性があります。
今日は、私も所属する某団体のZOOM会議があり、そこに産婦人科医の先生を招いて意見交換を行いました。
また、今年の7月には都内でシンポジウムも開催する予定です。
医療の進歩これからも進んでいくのでしょうが、これまで、そしてこれからも障がいをもって生まれてきた子ども達が、安心して暮らせる社会環境をどう構築していくかが大切だと思います。微力ながら私もそのことも考え続け、できることを実行したいと思っています。