今回は、前回のゴール地点とした直方市の南にある鞍手郡小竹町のJR小竹駅から4人でのスタートです。
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 この日の天候は晴れの予報ながら、最高気温は13度の寒さ。
 行程は、この小竹町から直方市内へ、そして、一級河川の遠賀川を越え、木屋瀬宿をこの日のゴールとしました。
 まずは、初冬の晴れの中、駅前を流れる遠賀川の河川敷を一路北へ進みます。
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 遠賀川沿いは、残念ながら長崎街道の道筋をたどることができないため、当時の道筋を示した地図を頼りに歩みを進めます。すると、河川敷そばに長崎街道跡を示す石碑と馬頭観音像、そしてお堂がありました。「南良津二本松観音堂」とされ、お伊勢参りの送迎場所などの物語が伝えられているそうです(福岡県教委、2003)
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 更に先に進み、ひと駅先の勝野駅周辺にはいります。このあたりは遠賀川から少し離れ、丘陵裾の当時の道筋が残る道を進みます。
 
 手持ちの地図では「南良津唐戸」と記されていましたが、痕跡を確認することはできませんでした。そのすぐそばに、廃線であろう鉄道痕跡と、イギリス積みの赤煉瓦鉄橋が残されていました。後で調べると明治35年(1902)に開通した九州鉄道宮田線で、その後国鉄となり、平成元年(1989)に廃線になったようです。
煉瓦積鉄橋
 直方を目指して先へ進むと、街道筋そばの民家の庭先には「籠立場跡」であったことを示す石碑が建てられていました。
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 そして、同じ地域には庚申塔が、こんもりした丘の麓に残されています。
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 上の画像の正面の2つの石碑をアップにしますと右が猿田彦大神、左側は碑文が読み取りづらいのですが、庚申塔でした。
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 この庚申塔の場所がわからず道に迷ったのですが、地元のおじさまにお尋ねして、場所の案内までしていただきました。「このあたりは田畑の圃場整備があり、街道の道筋がなくなったが、当時の道筋はここからこうだよ」とお教えいただき、皆で頭の中で当時の姿を想像したところです。

幸神尊璽
 さらに、先へ歩を進めると、街道筋に「謹請幸神尊璽」と記されていると思われる宝永年間(1704~1711)造立の石碑がありました。いくつかの字面が異なっているため、表記を間違っているかもしれませんが、現地では庚申尊天の表記違いと思っていました。関係する資料を紐解くと、かつてここに大楠があり参勤交代の妨げになるとして、大庄屋加藤氏が枝を切ってしまったところ病人が相次いだため、お祀りしたものだということでした(福岡県教委、2003)。

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 さらに先に進み、直方に入る手前には、貴船神社が道のそばにあり、道中の安全の参拝に為に立ち寄ります。街道筋に面した階段を登り、境内に入るとこじんまりとした、可愛らしい石製の祠が祀ってあり、ちょうどこの日は、秋祭り当日で地域の人が神事の用意をされていました。

 その合間に参拝させてもらいました。
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 直方の街の入り口まで来ると、城下町の入り口にあった尾崎口御門跡を過ぎます。
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 道筋が残る、街中に入ると、いくつかの古い建物が残っていました。
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 直方駅近くまで来ると、直方城下の守り神である多賀神社に立ち寄ります。
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 この日は、七五三で境内は賑わいをみせ、地元の方々に慕われているのが伺えます。

 道筋は町中の進みます。
 直方も飯塚同様、街道筋と現在のアーケード街が重なっています。
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 街中を外れ、再度遠賀川へ向かうと、頓野口渡し場跡へ
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 この渡し場の直方側には、当時から残る、双子の銀杏の木が今も佇んでいます。
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 遠賀川を渡り、木屋瀬側へ。木屋瀬側の街道筋は現在では消滅しているため、現代の道を進んでいきます。1時間ほど進むと、木屋瀬宿の西構口跡に到着です。
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 車道の両脇には、木屋瀬宿の入り口を示す搆口があり、今もその面影を残す石垣がありました。

 そして、この脇には、赤間道と飯塚道を分ける追分石があります。
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 この追分石は、近年建て替えられ、昔からの追分石は、この先の木屋瀬宿場記念館に移設されています。

 ここから先の木屋瀬は、当時の道筋と道幅、建物を保存され、そしてそれを案内するガイドさん達も活躍されています。その中のひとつの、旧高崎家住宅に入り、ガイドの方に丁寧な説明をしていただきました。

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●高崎家住宅外観

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●高崎家住宅内観

 高崎家住宅を離れ木屋瀬宿の中心へ

 建物の多くは、保存修理や景観修景がなされているそうです。
 その中には、おしゃれにリノベートされたかわいらしい、雑貨などのお店もあります。
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 木屋瀬宿の中ほどにある木屋瀬宿記念館へ入りました。
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 入場料は200円ですが、館内をガイドの方に説明をしていただき、多くのことを学ばさせていただきました。。
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 記念館を後にし木屋瀬宿の東へと進むと、小倉側の東構口へ、その途中も建物が残されています。
 長崎街道を象が歩いたことを伝える造形を、歴史的建築物の壁面に見ることができるのも木屋瀬宿の特徴です。
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 そしてこの日の終着点、木屋瀬宿東構口に到着です。
 この構口は、西構口のように痕跡は残されていませんでした。
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ですが、この構口の向かいの建物は、居蔵造で二階の窓面に金属製の扉を付ける圧巻の佇まいです。
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 今回は、ここまでとなります。いつもながら、現地の方々に道筋やお話をお聞きし、お世話になりながらの道中です。この木屋瀬宿では、歴史的建築物を活用した喫茶店や雑貨屋、そして元気なガイドの皆さんが活躍されており、この木屋瀬宿を目的に来られても楽しめると思いますので、街歩きも合わせておすすめします。

 参加したみなさん、お疲れ様でした。

引用文献:福岡県教育委員会(2003)『長崎街道』

キーワード: 長崎街道 木屋瀬 直方
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